税込表示が原則です

消費税率アップ、軽減税率導入から一月あまり経過。最近気になっていることがある。
消費税法は、スーパーなど小売店にたいし、プライスカードや、広告チラシなどでは、税込価格の表示を義務づけている。
「不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」(消費税法63条)が、この規定である。

ところが、実際の店頭表示や折り込みチラシなどで、税抜き価格を大きく表示し(税抜き)といった表示や、申し訳程度に(参考:税込価格)としている例が多い。特にチラシや、テレビCMでは、(+税)といった表示すらある。

これらは違法かといえば、そうではない。別の法律(いわゆる転嫁特別措置法)で、表示価格が税込みであると誤解されない措置をとっている限り税抜き表示が認められているからだ。この規定の考え方として財務省は「消費税転嫁対策特別措置法ガイドライン」を公表している。このガイドラインには、例示として「100円(税抜き)」や、「100円(+税)」といった表示も「誤認防止措置」としてあげられている。

税抜き表示をしているスーパーなどの言い分は「ガイドライン」にしたがっているから問題ないということなんだろうか。

消費者にとって必要な情報は税込み価格

いうまでもなく、買い物する側からいえば、「いくらで買えるのか」が、知りたいのであり、税抜き価格表示は不便であり、税抜き価格は不要な情報である。そもそも消費税法本法で税込み表示を義務づけておきながら、特別措置法で「100円+税」といった例外を認めるのは、売り手が消費税相当額を商品価格に転嫁しやすいように、という趣旨である。

姿勢が問われる

大手通販業者や小売店でも「税込み」を原則としているところもあり、商店街の小売店では、「税込み」表示は珍しくない。買い手にとって、どちらが親切かといえばいうまでもない。
中には「98円(税抜き)」を特大の文字で表示し、見えないような小さな字で「税込み参考価格105.8円」というようなプライスカードすらみかける。これでもガイドラインに抵触しないからOKだということなのだろうか。どちらを向いて商売をしているのかと姿勢を問いたい。

不当景品類及び不当表示防止法

税込み価格を極端に小さな文字で表示するとか、チラシの隅に小さな文字で「価格はすべて税抜きです」というような、極端なモノは「不当景品類及び不当表示防止法」に触れる可能性があるのではないだろうか。参考までに同法の条文をあげておく。

第5条
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの