消費税ってどんな税_消費に負担を求めるとは

消費税は消費にかかる、消費に負担を求める税だといわれます。

消費税の創設に先立ち成立した「税制改革法」では、消費税の創設目的を「消費に広く薄く負担を求める」としています。消費に負担を求めるとは、どういうことでしょうか。

 

消費自体に担税力はない

税金を負担する能力のことを「担税力」といいます。考えてみると消費とは、「人が欲望を満たすため財貨サービスを使うこと(大辞泉)」ですから消費自体に担税力はありません。消費に負担(税金の)を求めるとは、消費という行為に着目して、そこに担税力を見いだして、課税するということに他なりません。

とは言っても、全国民が税務署に消費額申告をするといった制度が現実的でないことは明らかで、人の消費行動を国家が課税目的で把握することは不可能です。

余談ですが、中央集権的国家で、全部の物資が配給制ならば可能ですが、そういう政治体制の国家には税金はありません。

消費力とは購買力

現代日本では、消費財(サービスも含め)のほとんどが商品として提供されていますから、消費することは、購入することとイコールです。結局、消費に負担を求めるとは、購買力に着目して課税するということです。

消費行動を売り手サイドから把握する消費税

消費行動に担税力を見いだすといっても、消費者サイドから消費行動を把握することは、不可能で、売り手サイドから消費行動を把握するように設計されたのが消費税です。
消費税法は、事業者の資産の譲渡等(販売行為)を課税対象とし、納税義務者を事業者としました。

購買力の源泉は所得か貯蓄

消費のため商品を買うためには、お金が必要です。家計にお金が入ってくるのは、給料や事業、年金などの所得であり、所得がなければ(不足すれば)貯蓄を取り崩す以外にありません。
消費に負担を求めるといっても、その原資を考えると、税金を負担する源泉(原資)は、といえば所得(フロー)か、資産(ストック)いずれしかありません。

所得税と消費税の違い

所得税は、所得に担税力を求め、所得自体に課税します。消費税もそのほとんどを所得に担税力を見いだす税金です。
どちらも家計が負担する税金ですが、所得税は所得自体を課税標準(税金計算の基礎)とし、累進構造をもっています。消費税は、所得と無関係ですから、その性格上累進構造をもつことができません。
累進課税とは、所得が高いほど、税の負担割合が高くなる税の仕組みのことをいいます。累進課税制度の目的は税による所得再分配にあります。「消費に負担を求める」消費税の割合が多くなることは、税の持つ所得再分配機能の弱体化につながります。