消費税ってどんな税-納税者と納税義務者-

意外と知られていませんが、消費税法は、事業者(売り手)を納税義務者としています。消費者ではないのです。

 

選挙のたびに争点となる消費税。しかし、身近なようで、意外と知られていないのが、消費税。議論の前に、まず正確に知って欲しいというのが、私の願いです。

「市民の錯覚が支えてきた?」これは「日本税金 岩波新書 三木義一」の章のタイトルです。三木先生は「この税ほど市民に身近で、しかも誤解されている税もない」と書いておられます。

簡単に説明すれば、多くの消費者は、消費税という名称から、消費税は「消費者が払うもの」と思っているが、消費税法では、納税義務者を「事業者」としていること(消費税法5条)が、知られていないということです。「買い物のつど取られる消費税」ということを言う人もいます。しかしレシートに「税」とあっても、それは商品代金の一部であって「税」ではないのです。かなりの方がこのレシートの「税」をスーパー等が税務署にそのまま納付していると「誤解」しているのではないでしょうか。実際には、この金額をそのまま納付しているわけではありません。事業者は、「仕入税額控除」を差し引きして申告納付しています。消費税申告計算は、複雑なので、ここでは割愛します。

現行消費税法は、昭和63年の「税制改革法」を根拠に創設されました。同法の消費税創設趣旨は、「消費に広く薄く負担を求める」ことですから、消費税が「消費」に課税する-消費者が負担する-ことを目的としているのは間違いありません。しかし、現行の消費税法は、納税義務者を事業者としています。

消費税法第5条「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。」

ここでいう「資産の譲渡等」というのは、各種商品やサービスの「売上」と考えていただいてもよいと思います。「課税資産」というのは、個別に指定した「非課税」のものは除外するという意味です。

以上から「消費税」は、モノやサービスに直接課税する酒税などと違い、事業者が、販売した(売った)という行為に着目し、その金額(対価)を基準として、事業者を納税義務者とする税であり、最終負担者を消費者として想定する税ということになります。

税務署へ納税している人(会社)は292万

では、どのくらいの人(個人事業主、会社)が、実際に税務署に消費税を申告納付しているのでしょうか。
直近の統計(2020年)では、個人事業者107万人、法人185万社で、292万です。
この他に消費税の還付を受けるために申告する人がいます。この件数は、個人6万6千、法人18万3千で、合計25万件です。
この件数は、この数年ほとんど変わっていません。